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精神の<北>へ sprit of “North” ーかすかな共振をとらえてー

アートプロジェクト「精神の<北>へ」は、東日本大震災の被害を受けた東北地方の再生を期して、2013年から福島県において開始しました。人々の真の再生のためには、東北が本来内包していた豊かな精神性を再認識し、それを回復することが必要でしょう。
その精神性とは、例えば、かつて蝦夷(えみし)と呼ばれた東北の先住民の精神に宿り、鹿踊りや奥州平泉の中尊寺建立供養願文に込められた鎮魂の祈りや、宮沢賢治の世界観にも通底する、「眼に見えない聖なるものへの畏敬」「森羅万象への分け隔てのない眼差し」「動物や森や宇宙とも融和する原初性」が感じられるものなのです。
それは、東北のみならず、アイヌ民族や世界の北方民族、さらには地域に限らず、人々の内にある「北方的精神」と呼べるでしょう。「精神の<北>へ」は、各人にとっての「北方的精神」とは何かを探り、世界的な視野でその共振を図ろうとするプロジェクトです。アーティストや様々な分野の研究者による、知的・感性的な交流と融合を実践し、民族やフィールドの違いを超えて、新たな北方論を紡いでいきます。
今年の開催では、日本と北欧のアーティストや研究者が、福島と東京でのひとつながりの滞在活動を行います。東北と東京、日本と北欧という対比的な土地と環境を認識し、滞在地域の人々を含めた参加者同士の理解を深める体験から、表現が生み出されます。
ひとつの展示空間に集う多様なジャンルの表現からは、自然発生的にコラボレーションが生まれるでしょう。その場がお互いの差異を超えた共振で満たされ、東北や北欧の森のように観客を包むとき、それは分断化され不寛容が強まりつつある現代社会に対する、ささやかな変革の試みとなるでしょう。(企画:丸山芳子)

 
精神の<北>へ 公式ホームページはこちら
http://spirit-of-north.net/

 

 

イベントスケジュール

2017年5月27日(土)

14:00〜16:00
北欧の先住民族サーミを知るドキュメンタリー上映
「サーミ・ニエイダ・ヨイク」〜旅は多くの眠れる魂から思慕を呼び起こした〜
(共催:みゆき野映画祭in斑尾〜日本・北欧国際短編映画祭〜)

17:00〜20:00
展示・公演・講演
アート+ダンス+パフォーマンス+サウンドのコラボレーション
講演 石倉敏明 「宇宙論とフードスケープ」

 

参加アーティスト
アマンダ・ビルバリ(ダンス/スウェーデン)
丸山芳子(インスタレーション・絵画/日本)
丸山常生(インスタレーション・パフォーマンス/日本)
石倉敏明(人類学/日本)
高島正志(音楽/日本)

 

*開催場所
西会津国際芸術村
<入場無料・予約不要>

 

主催:精神の<北>へ実行委員会
共催:西会津国際芸術村/東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)
助成:福島県特定原子力施設地域復興交付金事業(西会津国際芸術村)/公益財団法人朝日新聞文化財団/The Sweden Arts Grants Committee/スカンジナビア・ニッポン・ササカワ財団
後援:西会津町/スウェーデン大使館
協力:フィンランドセンター(フィンランド大使館)/みゆき野映画祭in斑尾〜日本・北欧国際短編映画祭〜
/中野未亜/Su Grierson/山川亜古/大野徹人/横手ありさ/Joachim Badenhorst/studio mar 他