※展示期間を延長しました!
西会津町の伝統和紙である出ケ原和紙とそれに関するアート展示を開催します。
和紙職人で美術家でもある滝澤徹也さんは、これまで西会津町に何度も足を運び、西会津国際芸術村の滞在アーティストとして西会津町の伝統和紙である出ケ原和紙の復活活動に携わって頂いて参りましたが、このたび、福島県地域おこし協力隊・出ケ原和紙担当としてに西会津町に移住されました。
滝澤氏による出ケ原和紙復活のこれまでの軌跡と、これからのアートやデザイン分野での展開を予感させる展示です。
<アーティストプロフィール>
滝澤徹也 http://tetsuya.main.jp/word/
1977年、東京都生まれ。美術家、和紙職人。福島県地域おこし協力隊出ケ原和紙担当。2005年、東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻版表現卒業。2009年「小川和紙」の技術継承者育成事業を修了後、東京都無形文化財「軍道紙」の再生に関わる。伝統的な手漉和紙の研究、製造を行う一方、場の歴史や自然と人間の物づくりの営みの関係をテーマに日本のみならず海外など各地に滞在しながらや絵画や紙を媒介とした制作、展示を行う。近年の主な展覧会として、2011 International paper art exhibition (台湾)、2013 個展GANGA・PAPER (インド)、AOMORI PRINTトリエンナーレ2014, 2016森の箱舟アートプロジェクト 森を漉く(西会津)などがある。
<アーティストステイトメント>
私は、多くの場合ある対象となる場の歴史、自然そして素材と私自身の関係から作ります。そしてその営みをサンプルとし、美術の在り方の一つの例を提示します。また、その制作行為から、私自身が対象を再認識し思考を深めると共に、その場所固有の、いまだ認識されていない美や、概念を見つけ出し、提示することが美術の重要な役割であると考えます。
私は、歴史や自然と美術の制作活動を中心とした人の営みの関係について考察する為、これまで、主に日本の各地、特に地方の自然や、都市の歴史の中で制作してきました。その過程では、関係の糸口となる部分を探し、必然性のある素材や技法を見つけ、制作、思考する中で新たな価値を発見し、作品として提示してきました。また、私は作品の素材は歴史などを内包した、それ自体、一つの造形言語だと考えていることから、制作では伝統的な絵画材料の他、大福帳や対象となる場の土や草・ほこりなど、対象に由来する素材が多く使われます。また、技法は対象との心理的な距離感や、それが生み出す効果、あるいは技法が持つ背景を考慮し選択されます。そうして出来た作品は、対象となった場所の歴史や、自然との関係性を考慮した上で、多くの場合、平面作品( 絵画) あるいはそれらを含めたインスタレーションとして展示されることと思います。
私は美術家として、できうるかぎり対象に真摯に、誠実に向き合い、制作し、その中で何かを発見し、提示する者でありたいと考えています。